今で言う「VIPカー」のレース
引き続き,「日本の名レース100選」シリーズから今度はちょっと変わったレースのお話を。
1972年,青森県の陸奥湾という海沿いにむつ湾サーキットというレース場が突如作られた。このサーキット,ガードレールも観客席とコースの間にあるフェンスもなく(唯一コンクリート柱だけがコースと観客席との境),コースは簡易舗装であった。このサーキットで行われたのが,「むつ湾ストックカーレース」である。
ストックカーレースはアメリカが本家で,「○○GT」とか,「なんとかS」といったスポーツカーではなく,高級車と呼ばれる車をペースに改造し,行われるレースである。日本でも1963年から行われていたが,日本だとベース車両がトヨペットクラウン,ニッサンセドリック,プリンスグロリア,少数派でいすゞのベレル(いすゞでは,値段高めの車はフローリアンやアスカというイメージがするが,1960年代はベレルという高級車もいたそうである)や三菱デボネアも参加車としていたそうである。まだまだ世間では高嶺の花だった高級車をリアドアを埋める+ローダウン+ワイドタイヤ+エンジン換装(なぜか初代ニッサンプレジデントの低グレードに積まれたH30(直6 3000CC)というエンジンが人気で,クラウンにこのエンジンを積んでというケースもあったそう。また,クラウンにロータリーエンジンを積んだ強者もいた)+アメリカンチックなカラーリング+地元企業の漢字ペイントスポンサーと何だか和洋折衷の街道レーサー車というマシンがレースをしていたが,むつ湾ストックカーレースでは,石原プロの刑事ドラマ「大都会」で爆発/炎上・横転していた130セドリックや当時は新車だった230セド/グロの2ドアクーペが多数参加し,本家アメリカのプリムスやマスタングを破って活躍というレースであった。
さて,今市販されている国産車でストックカーレースをとなるとニッサンフーガやトヨタクラウン,レクサスなどとなると思うがどうもイメージに合わない。どちらかというトヨタコンフォート(実際にスポーツタイプが限定発売された)やニッサンセドリックセダン,クルーがしっくり来る気がする。
むつ湾ストックカーレースから,参加車両を。ゼッケン84が230セドリック,ゼッケン36が130セドリック,ゼッケン46がクラウン(エンジンはトヨタのM型ではなくニッサンのH30)である。
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